ここのところのパリの朝は11月はじめを思わせるほどの寒さ・・・。
日差しは明るいのかなりひんやりしているのにびっくり・・・東京はまだ暑さの名残りの季節だというのに・・・温暖化というのが実は、科学信仰によるまやかしだということにあらためて思い当たります。(笑)
先日、日本でも大人気の作家、アンドレ・ブラジリエという作家の絵を友人のところでぼんやりながめていました。彼はフランスを代表する現代画家の一人ですが、特に日本と親和性が高いアーチストとしても知られています・・・・馬や騎馬隊などがよく題材としてとりあげることでもしられていますが、日本でも制作活動を行われていたことがあるそうです。
色調はとても美しく、彼の絵から受けるのは「優しい静けさ」・・・・やわらかで穏やかでそしてなんとなくひんやりとした朝露のイメージ、そぼふる秋雨、春雨のイメージなどが個人的には、あります。
なんとなく、日本人として懐かしいかんじもうけます。
とても詩的な作家で、見るものの気持ちを静め、自然な清らかな喜びへといざなう、そんなエネルギーをもった作家です。友人のところにあったのは、2002年のこのリトグラフ。
この日は、友人のところにブラジリエの愛好家のスイス人の方が訪れ、グリーンを基調とした小ぶりの、ひそやかで美しい雰囲気のあるリトグラフを買い求めていきました。
写真ではよくわからないかもしれませんが、この作品はグリーンとブルーの色使いがみずみずしいかんじ・・・・個人的には彼のブルーにピンクがちらりとまざった美しい空のもと、騎馬隊が描かれているのが欲しいです・・・・(笑)。

ブラジリエと検索すると、日本でもお取り扱いの多い作家なので、いろいろとご鑑賞いただけると思います・・・・とっても美しいです。みればみるほど、よくなってくる・・・・
ざっと経歴をご紹介すると、彼は1929年にフランスのアンジュ地方、ソミュールで生まれ、若き日はボザール、ブリアンション氏のアトリエで絵を学びます。現在80歳前後になられます。1960年前後から、パリをはじめニューヨークやジュネーブなどで個展を開き始め、1970年代から日本で個展が開催されはじめました。
個人的には、密室殺人の小説として古典とされるガストン・ル・ルーの「黄色い部屋の秘密」の挿絵を描いたということが印象深い作家でした。
彼の作品をご覧になっていない方は、一度ご覧になってみるとよろしいかと思います・・・・。
ポスターや復刻版のリトなら、7〜8万円と買いやすい価格のものもあるようですが、できれば、サイン、ナンバー入りのリトグラフや油が欲しいです・・・・(笑)。
フランス人のニュアンスの妙が出ているかんじ・・・・シンプルなのに洒落ていて深い。
日本語で作品集もでていますので、機会があったらみてみてください。素敵です。
また、彼の作品には、奥様もよく登場なさいます。シャンタルというお名前で、多くの作品にでてきます。中でも、奥様をピンクの色を多く使って薔薇とともに描いた絵はとても綺麗でした。
奥様自身も、絵をお描きになるそうです。やはりふんわりとしていて、素敵です。
見る人が幸せな気持ちになる絵、とても清らかですがすがしい。

彼らの絵をみていて、イタリアのデザイナー、オッタヴィオならびにロジータ・ミッソーニ夫妻を連想してしまいました・・・・イタリアの誇る、最高のニットのブランド、私の憧れですが・・・・昔、昔、ミッソーニ夫妻のインタビューをみたことがあったのですが、美、仕事に対する情熱、夫婦の愛、家族の愛、そんな要素が溢れていたことを思い出します。
人間はそれぞれが元来、アーチストです。
どのような方面、どのようなトーンか、それぞれ方向性、個性は違うのでしょうが、もしかすると、そんなことを考えてもみなかった人でも、たとえば相性がよく、お互いがかたわらで自然にくつろいだり、生命力を刺激されたりするような相手にめぐり合うと、思っても見なかった自分の「生活芸術者」としての才能を発見するかもしれません。愛する人のもとにいるだけで、仕事や日々の生活への情熱が穏やかにのびのびと表現されてくる、そんな豊かな人生を送ること自体が、すでに美的な癒しとして周りの環境に貢献するんじゃないかと思います。
「一人ではできない」、夫婦の結びつきという土壌があってはじめ育つ、常にみずみずしくそしてつねに中心からブレることなく展開していく、そんな美しいコラボレーション。二人でいるからこそ生まれ出ずるものを人が美しいと思うのは、カップルとして人が共鳴することに周りが共振するからなのかもしれません。
その日の午後、彼らの絵をみていて、夫婦でいることは美しいことなのだと感じていました。
相手といると元気がでる、そして優しい気持ちになれる、「一緒にいる」幸せ。
フランスでは3組に2組が離婚するということですが、一番シンプルな幸せが一番得がたいものになってきているのかもしれません。それでも、2人で生きることの楽しさ、そしてそれをありがたいと思う誠実で正直な気持ちがあれば、いつまでも「くすぐたったい」部分を残した、それでいて美しい成熟にむけた関係を築いていけるんじゃないかと思います。
この本、著者のイギリス贔屓を差し引いても、大変面白い本ですよ。
カップルに限らず、人の関わりあいについて考えてみたいかたにおすすめします。