
パリでは最近、朝は素晴らしい太陽の光を冷たい空気とともによろこび、午後には雲の多い肌寒さと気まぐれに入る明るい陽光が交互に繰り返されるという、不安定な天気が続いています。
おそらく、今年の夏のパリは涼しくなるようなかんじがします。
上の写真はリュクサンブール公園にど〜んとあらわれた巨大な黄金の顔。
顔とえば、テレビや雑誌や映画に出て来る人達の顔や体が今では男女共に美容整形やCG修正で処理されているので、メディアでみるものは全部「まやかし」だという印象が益々強くなるわけですが、不快感や嘲笑といったものをはらってみると、実際、人間の顔というのはいろんなことを語らずして語るなどとおもえてきます。
確かに、若く美しくいたいというのは、誰もがもつ夢なのかもしれませんが、かえって形を是が非でも整えたいというその内面の(もしかすると本人も気がつかないでいる)「あせり」とか「絶望」とか、不自然なものが全てそのままあらわれているかんじの世の中・・・・
実際、目が慣れてくると、「作り物」というのはわかってしまうもので、そういう「人工美」にどっぷりつかった世界の人達が生きている地獄を想像してしまったりして・・・。
かとおもえば、「美」を否定して、簡素で精神性を体現したかにみえる有名人、そういった「コンセプト」でプレゼンテーションしているというだけで、実はそういう「なり」で世の中の目をくらましているにすぎない場合も多い。美でも権力でも名声でも精神世界でもなんでも「陶酔」してはいけないということなんでしょうね、どうしてもこの世で生きるからには形から入るので、そういった意味でも「みかけ」にはあらゆる意味で割り切って対処し、左右されない目をもつことが大切だということらしいです。
いずれにしても、メディアによる世の中といのがいかに不自然に作り上げられたものか、登場人物の姿をみてもわかります。今や「有名人」といわれる人ばかりではなく、一般の男女もつったり、はったり・・・・自前の劇場に生きる人は通りにも溢れています・・・。所詮、メディアは大衆に向けられたもの、「大衆」とひとからげに扱われること自体に「むっ」とする人が増えてきたのは、ごく当然のことなんだろうとおもいますが、まだそういった「大衆むけ素晴らしい価値」というのを本物と信じて努力奮闘している人も多くいるようです。
そういえば、先週、久〜しぶりに「風と共に去りぬ」という映画をみました。
アメリカという国が今の有様のかけらもうかがわせなかったときの映画・・・、両親やそれ以前の世界中の人々を魅了した名作・・・・。確かに、素晴らしい映画ですが、子供の頃にテレビで観た時とは全然別の感想をもち、悲しい気持ちがしましたが、同時にCGなんたらという技術がなかったせいか、やはり本物の見ごたえがありました。
確かに、映画なんかを最近よくみても思うのですが、現在の素晴らしい高画像に比べれば地味でも、本物はいいもんです・・・一昔前の映画を懐かしむとかいうんではなく、特殊な技術がない分、ほかのものが優れていた・・・。演出や役者に芸とか秀でた「魅力」がなければ作品として認められる由がなかったからでしょう。
一方、CGなどの特殊技術はいくら精巧につくっても「よくできているなぁ」レベルで、深い感動までは呼ばないし、拝みたくなるような崇高さなんてない。
美容にたとえれば整形、スポーツにたとえればドピング、食にたとえれば人口調味料や冷凍食品、というかんじで、人間が感性や鍛錬や洗練で高めてきた文化の厚みが極端に薄くなったのも、ここ10年くらいの話。
というわけで、最近、世の中にでてくるものや人が不自然に「凄」かったりすればするほど、逆に「粗末」と思ったりすることが多かったり、なんの芸もないものが素朴だともてはやされたりして、世にあった価値が全部がらくたで押し流されてきたかんじもします・・・。
要はどちらにしても見た目で安直に判断して考えない人が多い世相があらわれているだけ・・・・だったりして。そういえば、小津氏の映画をみていたら、「テレビは一億総白痴化するから、あんなものみない」とかいう台詞がありましたが、もしかすると、あれって本当だったんでしょうね。
テレビという時代は感性の鋭い人にとっては終わり(始まってもいなかった人もいるんでしょうが)、そういう人にとってもインターネットは不可欠となりました。インターネットをどのように使おうが、ある程度まではその人なりのレベルでしか使いこなせないメディアなんでしょうから、今後これがどうなるか、参加者の一人としてみきわめていきたいと思ったりします。
それにしても、この銅像、なんでこんなものを・・・と最初は思ったのですが、よくみると力強く、素直で、そして美しいとおもえてきた・・・?、鰯の頭も信心なのか、それとも本当にいい顔してんのか?芸術の世界というのも実はわからない部分が多いものです。
これは自論ですが、精神が健康であれば自然と肉体が健康であるようにと注意するものです。それが今の世の中では、「どのようにものを食べるか?」ということに現れると思います。肥満をはじめとして、エネルギーのない身体、逆にエネルギー過多の身体をしている人がびっくりするほど増えた世の中・・・当座は良質の水と(空気もですが)野菜をいかに確保できるかというのがこれからの人生を幸せに生き抜く鍵だと私はおもいますし、それが「顔」にあらわれてくるとも思ったりして・・・。
メディアがどうあれ、流行がどうあれ、食というのは基本ですものね。
というわけで、芸術というのは魂の糧。
今回は本物だと何度みてもうなる、作り手の職人、芸術家としての心意気に感嘆してしまうような映画をいくつかご紹介します。