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Author:つばきりゅう
なんかその都度「?」と感じた一見関連性のない細かいことが最終的に大きな像を結ぶ。そんな観点から幸せを実現していきたいという気持ちからはじめたサイト。よろしくお願いします。

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2009年7月2日 ありがとう、そしてさようなら、マダム・ブンブン

パリの夏が今年は涼しくなると思いきや、暑い〜という日が続いております。
自宅に冷房というのが殆どないこちらでは、お店で涼む人がかなりいるようです。
物が売れないということで、今年の夏のバーゲンは前倒しであっさりスタート。
初日こそ人で蒸し返すようなかんじでしたが、去年にましてモノは売れません。
それでも、道行く女性達は元気です。


最近、我が家ではもろきゅうがブームになっています。
以前は自宅でガスパチョ!というのが続いていましたが、きゅうりにフランス製、正統派のマクロビメーカーのもろみ味噌を添えてアペリティフとしてだしたところ、これがフランス人にも大好評。味噌も本格派、きゅうりは毎週の市場で不恰好でも味のあるものを使っているせいか、本当に美味しい(笑)。

ちなみに、きゅうりのガスパチョということで、きゅうりとレモン汁とオリーブ油とにんにくの潰したものと食パンと塩コショウでミキサーで冷水でが〜っとすると、とびきり美味しい簡単なアペリティフになります・・・・こちらも好評なので、夏バテ対策に是非ともお試しください。(きゅうりは一人3、4本検討、あとは適当)暑いときはお水を冷たくして入れるのがコツ。

昨日、我が家に来ていた家政婦の方のお弔いのミサに出席してまいりました。一週間ほど前、友人に電話があって、日曜日の朝にご自宅で脳梗塞で倒れて意識を失い入院しましたが、5日の後にお亡くなりになったそうです。享年70歳だったそうです。

ご家族から知らせがあってほどなく、彼女の50年来の友人というもう引退された80代は半ばになるというご夫人から友人宛に電話がありました。彼女も私達と同じに、マダム・ブンブンの疲れに気がついていた人の一人でした・・・。聞けば、月〜金まで午前・午後といろいろなお宅で仕事をし、家事をし、土曜日も午前中は仕事、午後は家の買い物や仕事にプラスして、もう身体が動かないという高齢の女性のお世話をボランティアということでしていたそうです。週末は遊びに来る次女夫婦のために夕食、昼食の支度と給仕をし、日曜の午後は友人などに電話をして様子を伺い、晴れると、この80半ばのご夫人のところにやってきて、腕をとって散歩していたそうです・・・。休暇中は100歳になるという姑の世話と家事、午後にやっと海岸で1、2時間ひといきつくというかんじだったらしい・・・・あの年代のイタリアの庶民の女性というのはそういうもんなんだねぇ、でも働きすぎて身体が参っていたんだと思うと、このご夫人は涙声で話していました。

なんで、休むことなく働いたのか、どうして周りは気づいて「もういい加減にゆっくり休みなよ」といってあげなかったのか?

ミサと埋葬に友人と共に立会いましたが、彼女が全力で生きた人だということ、人のために役に立つということを自分の存在理由としていたこと・・・命を削って、燃え尽きたかのような印象を受けました。
エネルギーに満ち、ダイナミックで、活動的で、小さな棺にむけてかけられた彼女への賛辞はどれもマダム・ブンブンの異名に恥じないものでした。

ご家族は揃って「彼女は幸せだった、唐突だけれど苦しまないで逝った」と話していました・・・私は門外漢なりに、最初は複雑な気持ちでそれを聞いていました・・・

一方、生前は20年以上のつきあいとなった私の友人の幸せを喜んでいたこと、「あの家には彼女(私)が来てからいつも、た〜くさん花があるんだよ」と、元気に弾むように話されていたということでした。「最後まで、気遣い、優しくしてくださってありがとうございました」とご長女にいわれたときは、さすがに、涙が抑えられませんでした。

16歳で身重のまま実家を追い出され、異国にきて、必死に生きてきた彼女。
こんな働きづめで死んではいけないよね、と友人はポツリと話していました。

埋葬に同行することになり、(上記の)80半ばのマダム・ブンブンの親友というご夫人とお話しました。
彼女も小柄ですが、年齢に相応しい形で適度にお痩せになっていて、顔の色艶がよく、白いながらも豊かな髪が印象的でした。こんがりと日に焼けていて、皺の少ないお顔。65歳まで働きづめに働いて、「もううんざり!私は好きなことをして生きる」と引退した彼女、でも人生ではまだまだ現役で、本人にそのつもりがあるのかないのか知りませんが、同席する人達すべてを多いに楽しませます。彼女と話していると、まるきり泣き笑いというかんじで、しまいにはすっきりと墓地を去ることができました。マジックですね・・・。友人は、言葉も意識も昔と同じでしっかりしていること、なんともいえない地の明るさがあることを笑いながら話していました。なんともいえない、かわいい方です。

彼女のお陰で、救われました。

その日の夕方、暑い葬儀から戻って、帰ってシャワーを浴びてもろきゅうを食べて涼みながら、マダム・ブンブンはもしかすると幸せだったのかもしれないね、と友人と話しました。

実は、自分の幸せに命をつくした、情熱と頑張りの人生。
どうして、カトリック教会では葬儀中に、「Celebaration」(英語でCelebration!というのもやはりお目でとうという「祝」という意味です)という単語を使うのか判るような気もします。
精一杯生きた人にとっては、人生の終わりというのは祝うべきものなのかもしれません。

本当に、お疲れ様でした。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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