お昼の予定があって出かけたのはいいけれど、寒いっのなんのって・・・
日本もとても寒かったらしいですね。イタイくらいです。
こんな日は「家に帰って暖かくして過ごす」というのが多くのフランス
人の幸せだそうです。外が寒いと一層、幸せ感が募るということです
が、理解はできますが、私向きではない幸せだなぁと思いました。
暑いところでクルクルとグラスの氷をまわして涼んでいるほうがいい。
幸せは人それぞれ。
寒いので、お昼の帰り道に家の近所で花を買って、お気に入りの瀬戸物
屋をのぞいて、コーヒーのおいしいところを挽いてもらって、パン屋さ
んで「おやつ」を買って帰ってきました。
半径50メートル以内で最高のものが手に入ります。
私の家の近所の黄金お買い物地帯です。
ただ、数年前から高級惣菜店Hediardにかわって「デン」と緑と
黒のロゴが目印のコーヒーチェーン店が居座っています。のんびりした
昔からの古本屋がつぶれて、写真現像屋になり、それが現在はチョコレ
ートショップになっています・・・。
こうなると、コンビニも時間の問題?ロンドンではコンビニっぽい店を
みることがあります・・コンビニが栄えるようになると、これはゆゆし
き事態です・・・なぜなら、それって集合的な感性のレベルが現れてい
るということだから。(あくまでも私見です)コンビニは便利だから、
コンビニ。でもコンビニばっかりっていうのはつまんない。
本物志向の小さな店は媚をうることなく、ただ淡々と「自分なりによい
仕事」をしてマイペースで生き残っています。それが判る顧客に支えら
れているからです。
是非とも、生き残って欲しいです。
今日は、ご近所の名店をご紹介します。メトロでは7番の
Censier-Daubentonもしくはles Gobelinsです。
ここのお花屋さんは、「冷凍花」で発展したチェーンの花屋さんの倍く
らいの値段がします。ただ、茎の切り方、店の状態、花の包み方ひとつ
みてもプロだということがよくわかります。ここの花は生きています。
小さな店内に入ると、もう「幸せの気」が満ちています。
ここの店で花を買うようになって1年くらい、私は切花しかかいません
が、買うたびに手入れの仕方をきいて、その通りにすると最後の最後ま
で花を綺麗に楽しむことができます。美しく老いて散るということはこ
ういうことだと、命の大切さがわかります。

この瀬戸物屋さんは、最初とても愛想がわるく、見慣れない顔つきをし
た「この」お客をうさんくさそうにみていました。あれから7年の月日
が経ち、褐色の肌の元気な店員さんがいつもせっせと働いています。そ
して、頑固なオーナーの日常的で優しいながらも洗練された品揃えのセ
ンスがお客さんを離しません。「どれだけ売ろうか」というのではなく
て、自分の店を黙々と続けるという姿勢にフランス人の魂を感じます。

そして、これがパリで知る人ぞ知るという隠れたコーヒーの名店。いつ
もコーヒーを炒る素晴らしい香りがします。必ず、挽き具合を尋ねられ
ますが、ここのコーヒーを飲んだらスーパーのコーヒーは一袋飲みきれ
なくなります。紅茶の種類も豊富で、アプリコットと薔薇のブレンドが
最高でした。あまたな数の中から、店にくる常連の人から薦められるも
のを買ったりして、飲む種類を増やしています。こういうコーヒー専門
店はパリでももう2、3軒なんだそうです。ネ○プレッ○ではでない味
と香りです。

その通りをはさんではす向かいにあるのが、日本でもパン好きには知ら
れているMongeのパン屋さんです。お昼と日曜には行列ができます。パリ
の某高級レストランでもここのバゲットが使われています。タルト類も
最高です。人のうちにちょこっと持っていくと非常においしいと、どち
らでも喜ばれます。日本人のパン職人さんをみたこともありました。
いろいろ食べ比べてここのバゲットに戻りました。

今日はいかなかったけれど、近所に美味しいギリシア料理のお惣菜屋さ
んがあります。アメリカ人の友人の一人で今はカリフォルニアで選挙運
動に精を出している人が、「あのタラマ買ってきて!」と私に電話をか
けてきたことを思い出します。
コンビニは論外!でも、スーパーマーケットの「波」はパリでも大きく
なってます。みんな「忙しい」から余裕がないんです。
懐古主義ではなく、実質的に自分の「住空間」にかかわることですか
ら、大切だと思っています。今日もお昼前にアパルトマンの階段を下り
ると、「嗅ぎ覚え」のあるコーヒーの香り・・・まごうかたない、あの
店のブレンドでした。
今日お勧めする本は中国系アメリカ人で、いくつものアメリカの名門大
学で教鞭をとられていたイー・フー・トゥアン氏の傑作ともいえる。著
書。建築学や最近では現象地理学という分野での大家です。
ちょっと前の本ですが、私は是をよむと、「人間でよかった」と思う。
実は、英語で読んでも日本語で読んでも素晴らしいことはわかっていて
も退屈してなかなか読み通せないこの方の本なのですが、この本だけは
別。日本語訳が素晴らしいということがあると思います。最近は益々、
スピリチュアルとフィジカルの狭間、まさに「際(きわ)」を極めてい
るという印象があります。
本の9割が古本屋さん行きですが、これは死ぬまで持っていようとおも
います・・・大げさですけどね。
感覚の世界―美・自然・文化 / イーフー トゥアン
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